加奈の秘密に触れた翔太は、子供は要らないと口走ってしまう。
加奈はおそらく翔太に子供のいる普通の結婚をしてほしいと考えているのでしょう。
そして自分は普通の家庭を持つという幸せから遠いということがわかっている。
自分の気持ちとして結婚は考えづらい。考えていない、
あるいは考えたくないと思っているのでは。
翔太は加奈の気持ちを慮って、
しかし微妙な加奈の気持ちが理解しきれていないように思います。
そして周りの家族がからむ。いいのか悪いのか、かき回すような・・。
翔太のおじいちゃんの四郎さんが孫を思いやっていて、いい。
加奈のお父さんが頭ごなしではあるけど、娘の交際相手に対して真剣に怒っていますね。
まあ一方的ではあるけど昔のお父さんらしい・・・。
やっぱりこうはいいたくないけど昔の話か・・・今はこうではないのか??
無論、今のところそれぞれの両親は、事情を知らないので誤解をしているわけですが、
まあこれは翔太の不器用さで更に増幅されてしまっています。
いずれ、本当のことが分かれば又それはそれで厄介なことになるのですけれども・・。
この世界、現代の若者的でないとか、リアルさとか言うより、
子供のための親が奔走するという昔ではきわめて当たり前な話を描いていると思います。
しかし今の時代ではどうでしょうか。
山田太一さんのこうありたいという思いが、この作品を作っているような、
そんな気がします。
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