2007年度TVドラマベスト10

作品賞 連続ドラマ部門 

順位

題名

放送局

放送日

あらすじ

喧騒

1. 
グッジョブgood job NHK夜ドラ(全5回)

3月

佐嶋建設、営業課でOLをしている上原草子は「OL仮面」と呼ばれていて、出来るOLとして慕われていた。ある日仙台支社から営業課に転勤してきた黒木丈二、いつもの軽い感じでサポート役の上原に仕事を頼むが、上原から期限をはっきり言うように言われ思わずむっとしてしまう・・・。

やっぱりこれが1位かな。
上司として退職で入れ替わる多くの女子社員をみてきた私としては、この作品で描かれるOLさんはまったくその通り。細かすぎるエピソードも、実際にあるあるなんです・。
むろん上ちゃんはイヤミなく描かれています。これは少し理想化し過ぎますが・・それでも納得の行く快作。
2.
ハゲタカ  NHK(全6回)

2月

1998年。ニューヨークのの「ホライズン・インベストメント・ワークス」の敏腕ファンド・マネージャーとして鳴らした鷲津政彦が5年振りに帰国する。目的は日本を買い叩くこと。鷲津はかつて勤めた三葉銀行相手にバルクセール(銀行の抱える何百もの不良債権をまとめ買いするビシネス。)を仕掛ける・・・・。

これは文句なく面白い。経済ドラマとして濃いです。うまく出来ていると思う。こういうものが見たい。最後はやや予定調和か・・。
大森南朋はちょっと弱い気もするけど、エピソードの結論から考えれば彼でよかったのかもしれない
3. 風林火山

NHK(大河ドラマ)

1月〜12月

武田信玄に仕えた名将、山本勘助の生涯を描く。

久々に大河らしい大河を見られたのは幸せ。
歴史的事実を主体とするのは大いに賛成。内野さんはやっぱりいい。多少歌舞伎的だけど亀治郎さんもいい。心配していたGacktは意外によく、景虎(謙信)のイメージが合っているのに驚きました
4.
こんにちは、母さん

NHK(土曜ドラマ)

5月〜6月

大手自動車会社で人事部長としてリストラの担当をしている神崎昭夫。久しぶりに実家に帰るが、母親は見知らぬ男と恋人同士だった。そして昭夫にリストラの内示を受けている設計担当の木部が昭夫の実家にやってくる・・・。

緊張した原作の舞台劇の雰囲気を踏襲し、長い台詞のやり取り。
よく考えればつらい話ばかり。福江さんの孤独は寂しい。昭夫はつらい。木部とのやり取りは身につまされるよう。さすがNHK土曜ドラマかな。上質の出来。
5.
芋たこなんきん NHK朝ドラ

2006年10月〜2007年3月

小説家、田辺聖子さんの自伝(と思われます)をドラマで描く。
少女時代のこと。子連れだった旦那さんとの出逢いと別れ。さまざまな人たちとの交流を描く。

挿入された戦時中の青春時代の話は興味深いし。主人公がてらいもなく愛国少女だということを告白してしまう・・こだわりのないお聖さんらしい。
戦時中のエピソード、戦時中の疲れか戦後すぐに亡くなってしまうお父さん・・。強い訴えではないけれど反戦の意味合いが含まれています
6. 
ホタルノヒカリ NTV

 7月〜9月

 S.Wビルドコーポレーションインテリア事業部で颯爽と働く雨宮蛍(綾瀬はるか)。しかし彼女は自宅に帰れば頭はちょんまげ、破れたジャージを着ているという男っ気のない干物女だった。
彼女が格安で借りた1軒屋は、実は上司の高野部長の実家だった。それとは知らずに借りていた蛍。しかし部長は妻と折り合いが悪く別居したため住んでいたマンションから実家に戻ってきた。
そして二人の不思議な同居生活が始まる・・・・。

放送開始時はこのドラマにこんなにはまると思いませんでした。蛍と高野部長のやり取りが面白く、綾瀬さんの新しい面を見ることが出来ました。なんにしてもこれは楽しいです。
7.

セクシーボイス・アンド・ロボ

 NTV

 4月〜6月

 家と学校を行き来するだけの生活に飽き飽きしていた14歳の少女・ニコ。そんなある日の下校途中、ふたりの男が血まみれで争う衝撃的光景を目撃する。(以上AmzonDVD解説より)

 コメディタッチの探偵物のような・・・でもエピソードの意味合いが意外に深いような・・・。
ケンイチ&寿々花のコンビが初々しい・・。
ファンタジーなのですが、何かせつなく心に残る内容。

8. 

 スロースタート

 NHK(2回連続)

 1月27日、2月3日

 谷口未散は、神戸にある「スロースタート」事務局で働くスタッフ。
スロースタートとはニートや引きこもりを支援するNPO(非営利団体)法人の一つ。引きこもった青年たちを訪問し、社会復帰の手助けをするのが未散たちの仕事で、一緒に映画を見るという約束をすっぽかした引きこもり青年を4時間待ち続けることもあった・・・。

 切り口が面白い。いいのは1回目。実話を基にしているようですがこんなやり方もあるのだ。2回目はちょっと予定調和に走ったかな?まあこういう感じで解決すればいいのだけど・・・。

9. 

 拝啓、父上様

 CX

 1月〜3月

 田原一平は料亭坂下に勤める板前、父親のことはよく知らない。ある日新米の板前の時夫がやって来て・・・。

 ゆっくりした語り口。流れがいい。話がおや?という方向へいってもそういう感じがしない。さすがです。でもちょっと結末は肩透かし・・・。
あと八千草さんのおっとりした感じがすてき。

10. 

 病院のチカラ〜星空ホスピタル

 NHK

 4月〜5月

 東京の病院・救命救急センターに勤務する栗原ともみは天才的なERドクター。仕事は完璧だが、なぜか患者や同僚たちに心を開かず、キャバクラでアルバイトするなど金儲けに熱心だ。そんなともみに、地方の「堀田海岸病院」の院長・堀田が、自分の病院に医師として来てほしいと懇願する。海岸病院は深刻な医師の数不足に苦しんでいた。ともみは堀田に高い年俸を約束させ、海岸病院に行くことを決める・・・。

 いい話でしたね。病気がらみの話だけにちょっと重い部分もあるけど、うまく作ってあります。いい感じの菊川さんを見られたのは初めてかな。熱演ですね。
ところで三船美佳さんがこんなに上手とは思いませんでした。


 作品賞 単発ドラマ部門( 見た本数が少ないので、中途半端ですが4位まで)

1.

 HTB製作スペシャルドラマ「そらぷち」

HTB

 9月(HTB放送日)

小児がんなど難病の子どもたちのために北海道滝川市の丸加高原に医療施設の整ったキャンプ場をつくろうというプロジェクト「ソーラー・キッズ・キャンプ」。高校3年生の信雄(森田直幸)は、そのプレキャンプに参加した。今回が2回目の参加となる信雄の目的は、医師を目指す自分にとって大きな経験になると考えたこと、そして、ひそかに憧れる地元ボランティアの夏美(悠城早矢)の存在があった・・・・。 

病気のための後遺症を抱えた少年の微妙な心の動きが切ない・・・。
 いい話なんですが時間が短くあっけなく終わってしまいます。もう少し長ければ。
地方発なのでしょうがないのかもしれませんが、こういういいドラマはぜひ見やすい時間帯に放送して欲しいと思います。

2. 

遠い国から来た男

TBS

 7月

中米の国サン・ハイメに暮らす津山雄作は46年ぶりに帰郷する。世話をする旅行会社の矢川香は津山の本当の目的が津山の元婚約者だった典子と再会するためと知り。しり込みする津山の後押しをして岡野典子に連絡を取る。
46年前雄作は会社の指示でサン・ハイメに単身赴任し、暴動に巻き込まれる。そして60年安保闘争のころ大学生だった津山は、暴動に加担するような形になり投獄される。何年も故郷に連絡の取れないままでいた津山は、ようやく民主化され、許されて獄から外の世界へ出るが、典子が岡野卓巳と結婚したことを聞き、その地に根付くことを決心する。
そして年老いてから若い妻と結婚したが、妻は昨年病死してしまった。


矢川の仲立ちでようやく典子との再会が実現することになったが、約束の場所に現れたのは夫の卓己だった。何故典子は来なかったのか?それは典子の意思だったのだが・・。

別の国に暮らし、連絡も取らないまま半世紀近く経った二人の男は、探り合いながらお互いの思いをぶつける。結局、雄作に負い目のある卓己は典子に会わせると雄作に約束する。


やがて、雄作と典子が46年ぶりに再会する。着飾った典子を眩しそうに見つめる雄作。はじめはどこかぎこちない二人だったが、語り合ううちに二人は長い空白を一気に乗り越える。

妻のことが気がかりになった卓己はその後「歌声喫茶」で二人に合流。すると、典子は卓己に雄作と一緒にサン・ハイメで暮らすと言い放った・・。しかし雄作は・・・・。

山田太一ドラマ。大人(というか初老)の恋愛。
まあ納得の行く結論、大人向けのいいドラマと思います。
小巻さんがあまり変わらないのがうれしい。再会のシーンでは若々しくて、いい感じ。
歌も歌われて、懐かしいです。

3.

ツナガルココロ 3つの愛の物語

CTV

 9月

中京TVの情報番組「アンデュ」と携帯電話ドコモのタイアップ企画のようですね。
3話のオムニバスドラマですがストーリーはつながっています。
3つのオムニバスドラマがエピソードを変えてひとつの話としてトータル1時間で中京地区ローカル放送されました。
恋愛、友達。家族とのつながりで悩む女子高生。清新ないい感じ。そしてどの話でも父親が心に残るアドバイス。
時間が短くテーマを深く掘り下げてはいないけど、でも全体を通じては、ほっとするようないい話。
(DVDは2008年2月より販売されています

4.

ガンジス河でバタフライ

NBN(メーテレ)

 10月(前編、後編。2夜放送)

前編;
就職活動中のてるこ(長澤まさみ)は、面接で特技の無い自分をアピールするためについ面接官に「ガンジス河でバタフライしました」と言ってしまう。
そしてそれを証明するためにインドに旅立つが、飛行場に降り立ったてるこに予想外の現実が襲い掛かる・・・。

後編;
インドで最初に出会った日本人はシンゴという若い男(塚本高史)だった。子供たちにまとわりつかれているてるこを助けてくれ、インドのことをいろいろ教えてくれるシンゴにてるこは一目ぼれをしてしまう。しかし一緒にカンジス河に向かう列車を待っている間にシンゴはてるこの荷物を持って消えてしまう。
しかしてるこは列車の中で親切なインド人一家と出会い助けられる・・・。

そしてさまざまな苦難の果てにてるこはガンジス河にたどり着く。
するとそこにはてるこが始めてインドのレストランで食事して、手を使うことで戸惑っているてるこにスプーンを出すようにウエイターに言ってくれたエッセイストのテツコ(中谷美紀)がいた・・・。
テツコとのやり取り、そして今や何があっても動じずたくましくなったてるこは、ついにガンジス河に飛び込む決心をする・・・・。
メーテレ開局45周年記念ドラマスペシャル。
単なる紀行物ではない面白さ。インドの方々の素朴な演技にはびっくり?? 
まさみちゃん、パワーがすごい、頑張りました・・お疲れさん。

 2007年その他のドラマ

 

【個別部門】 
主演男優賞 内野聖陽 風林火山 やっぱり濃い勘助、内野さんでしょう。かつてのNHK「蝉しぐれ」、「秘太刀馬の骨」、よかったです。時代劇には内野さんで決まり・・・。

主演女優賞

倍賞美津子

東京タワー〜オカンとボクと、時々オトン 倍賞さん、年寄りの私にとってはオカンとしては若く感じます。息子のためにだけ頑張るお母さん、よく考えれば当たり前なのですが、今そういう時代ではないだけに嬉しくなってしまいます。
助演男優賞

市川亀治郎

風林火山

やっぱり格調高い信玄公、亀治郎さんでしょう

助演女優賞

八千草薫

拝啓、父上様

大女優に今更失礼かとは思いますが、ヒルズ族へのあの啖呵がいい。
新人男優賞

横山裕

拝啓、父上様

いかにも新前の板前さん。個人的には二宮君よりうけました・・
新人女優賞

北乃きい

ツナガルココロ

きいちゃん。清新。あざとくない。

脚本賞

大森寿美男

風林火山

すばらしい。濃い。いつの回だったか、冒頭、勘助とリツとのなんということもない、コメディタッチの会話から内野さんの風林火山のタイトルコールに移るところが面白かった。和みの少ない後半ではリツとのシーンは唯一ほっとするところなので、この場面印象深かったです。

台詞賞

ぶつかっちゃいけないんです。かわすんです。

働きマン

番記者に囲まれて市村に近づけない弘子に由実が言う「ぶつかっちゃいけないんです。かわすんです。」由実の生き方が一言でわかる・・・。
主題歌賞

桑田佳祐

明日晴れるかな

歌もいいけど、歌のバックがいいのね・・・。ウエディングドレス姿のまさみちゃんが美しい

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