うたの旅人 西岡恭蔵作詞作曲「プカプカ

 



1969年大塚まさじは大阪で友人と喫茶店「ディラン」を開業した。

開業当初は普通の喫茶店だったディランにフォークソングが趣味だった大塚さんの仲間たちがいつしか集まり、店の中では歌声が聞かれるようになった。

まさじさんは近くの教会で毎日曜に開かれていた「フォークスクール」に通っていた、そこでこの曲の作曲者の西岡恭蔵さんと出会います。

その年の秋、ベ平連の集会で恭蔵さんは自作の楽譜集を売っていたそうで。その楽譜集を大塚さんが購入し、親しくなったそうで、大塚さんは恭蔵さんにギターを教わったという。

70年5月恭蔵さんと大塚さん二人のほかに「ディラン」の常連だった永井洋さんが加わり、三人でフォークグループ「ザ・ディラン」を結成しコンサートを開く、当時の前衛劇団の「黒テント」の前座を務めたりした。

この「黒テント」の公演にジャズシンガーだった安田南さんも出演し、恭蔵さんはその時知り合った安田南さんをモデルに「プカプカ」を作ったようです。当時この公演に参加していた俳優の原田芳雄さんもその後この曲をカバーしています。

71年6月にこの曲はシングル化されるが、当時体調不良で故郷の志摩に帰郷していた恭蔵さんはレコーディングには参加せず。大塚さんと永井さんで「ディランⅡ」名義でシングル盤を出すことになる。

その後大塚さんと永井さんはそのままフォークデュオ「ディランⅡ」として活動を続け、体調が戻った恭蔵さんはソロ活動をしていくことになる。

「プカプカ」はこういういきさつもあるのか、関西フォーク系の曲としては珍しくメジャーになり多数の歌手や俳優さんにカバーされていくことになります。

その後、恭蔵さんはディラン時代に知り合った作詞家のKUROさんと結婚し、二人三脚で曲作りをすることになります、旅行の好きな二人は海外旅行の体験を題材にしたアルバムを作っていきます。


しかし時が経ち90年代の後半KUROさんは病気で早世し、そのころうつ病で苦しんでいた恭蔵さんもKUROさんの後を追うことになってしまいます。残念です。

恭蔵さんの曲は関西フォーク系の割にはレトリックが少なく素直でその割には深い曲が多い。才能があった人だけに惜しいなと思います。


西岡恭蔵アルバム「ディランにて」 「プカプカ」収録

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