うたの旅人「学生街の喫茶店」

山上路夫;作詞 すぎやまこういち;作曲 歌;ガロ(GARO)

 

朝日新聞土曜版be2月12日の記事より

ここでは、この曲を演奏したフォークグループ、ガロ(GARO)について。

1969年にロックミュージカル「ヘアー」の日本人キャストによる公演があった。あのタイガースを脱退していた加橋かつみを主役にオーディションがあり、3千人以上の参加があったそうだ。
そのヘアーの出場メンバーで結成されたグループ、ガロ。メンバーは日高富明(トミー)、堀内護(マーク)、大野真澄(ボーカル)。出発点はCSN&Y(クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング)のカバーだった。3人のコーラスは評判となり、あのミッキーカーチスさんがプロデュースを務めマッシュルームレコードでアルバムを出す。そして3枚目のシングルとして「美しすぎて/学生街の喫茶店」が発売される。
「学生街の喫茶店」はB面ながら人気が出てA面扱いに変更され大ヒットしオリコンチャート1位となる。そして当時のフォークグループとしては珍しく紅白歌合戦にも出場した。

しかしこの歌はメンバーにとっては微妙な影となった。ずっとオリジナルの曲を演奏してきたガロにとっては、この曲はプロの作詞、作曲家による提供曲で、日高さんや堀内さんにとっては歌謡曲的なイメージのする曲だった。しかし大野真澄氏は特に違和感はなかったという。またこの曲が初めて大野さんがリードボーカルを務める曲になった。

しかし発売当初はコンサートで歌うことを拒否していたこの曲、しかし大ヒットとなってしまい、この曲を演奏してTVの出演をしまくることになってしまったガロ、とくにマーク(日高さん)とトミー(堀内さん)はルックスの良さもありアイドル並みの人気となった、そしてそのうちにもともとのバンド仲間だった日高さんと堀内さんの二人に亀裂が生じることになる。そして75年末にガロは解散しこの曲が好きだった大野さんだけが「学生街の喫茶店」を歌うことになってしまったようだ。

日高さんはその後86年に死亡し、堀内さんはしばらく表舞台から遠ざかっていたが2007年ごろからライブ活動を再開しているそうだ、しかし今では堀内さんと大野さんは共演することはないという。残念です。

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ガロのコーラス、FM放送で全盛時に聞いたことがあります。CSN&Yの「キャリーオン」を歌っていました、オリジナルを彷彿させる素晴らしいコーラスだった記憶がありますが、残念ながら一般的に知られるようになったこの曲が皮肉にもグループの亀裂を生じさせてしまったのでしょうか。

以上朝日新聞記事を参考にしました。
リンク先は作詞者山上路夫さんのモデルの喫茶店探し関連の記事が掲載されています。

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