旧作ドラマ

タイトル DVD画像 放送時期 レビュー
阿修羅のごとく NHK
1979年、1980年
1979年と1980年に放送された。脚本家、向田邦子の代表作。
 
表面は穏やかだが、内心はお互いに妬み、いがみ合う家族の姿を、向田邦子が優しくも辛らつに描いた人間ドラマ。父に浮気相手と隠し子がいたことを知った四姉妹の間に渦巻く猜疑心を、加藤治子、八千草薫、いしだあゆみ、風吹ジュンが見事に演じている。
(「キネマ旬報社」データベースより)
 
正直言ってリアルタイムで見たときの感想は、自分が若かったせいか、理解が十分じゃなかった。どろどろした世界が好みじゃなかったせいもあるのだが。
最近、といっても2〜3年前かあるいはもっと前か、全編再放送があって、じっくり見ましたが。納得がいきましたかな。若い人向きじゃないな。
 
2003年に映画化され、ドラマ版でも出演された八千草薫さんが、ドラマ版では大路三千緒さんの演じた4人姉妹の母親役を演じている。娘から母へと時代の流れを感じさせるような思い。不思議ですね。
姉妹と、お母さんの情念がちょっと恐ろしくは有るけど、そしてもちろんドラマ版のほうがより強く感じられる。
映画版はドラマを思い出させるような懐かしい感じ。しかし映画単独で見れば優れたものだと思います。
 
以下余談;
(この記事は、私どもの別ブログからの引用です。)
NHKETV「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝スペシャル〜ちょっと昔の日本人」の向田邦子編を見る。爆笑問題の太田光が向田邦子を論じていた。
「阿修羅のごとく」を見るとわかるが、男の書き方がちょっとだらしなく書かれている。向田さんは20から30才台にかけて、妻子あるカメラマンと交際していて、最後にその人は病気で倒れてしまい、結局妻とは離婚し一人暮らしとなるのだ。向田さんはずっと同居はせず、食事など作って男性宅に通い面倒を見ていたそうだ。(妹さんが出版した向田さんがその男性に送った手紙を本にまとめている。その本を元にして2005年正月に山口智子主演でドラマ化されている。)
男性は結局病気を苦にして?自殺してしまう。大田が言うには取り残された向田さんのうらみ?がドラマにおいての男性の扱いになってくるんじゃないかと言う。
面白い話。当たっているかは何ともいえないが、いささか僻目とは思いますが、ちょっとうなづける話ではある。
七人の刑事 TBS
(1961年〜69年)
1961年から69年までTBSで放送された刑事ドラマ。日本の刑事ドラマ、社会派ドラマの草分けなのかな。
暴力団、麻薬と今の刑事ドラマでも必ず出てくるテーマを扱っていた。当時は現在ほど悲惨な事件が少なく、こういうドラマで見る事件の数々がショッキングでリアリティがあったが、現在ではドラマ以上の驚くような事件が多くて、個人的には刑事ドラマに食指が動かなくなったのはそのせいなのか、このドラマを見ていたころが子供だったということもあるのでしょうが・・・。
刑事=レインコートというのは芦田伸介さん扮する部長刑事のファッションが定着したのでしょうか?
主題歌(エンディングで流れる)はゼーグ・デチネという一般の方。(外国人の商人らしい)Wikiのフランク永井さんという記述は間違い。
 
画像はエンドロールの映像に使われた旧警視庁庁舎。(ウイキペディアよりお借りしました)
事件記者 なし NHK
(1959年〜1966年)
NHK連続ドラマ 各回30分 1958年〜1966年放送
自宅にTVが入ったころ放映されていたドラマ。記者物のミステリードラマ。たぶん2週連続で完結するエピソードが繰り返される作りだったような。
警視庁の中に置かれたついたてで仕切られただけの記者ブースの中で繰り広げられる記者たちの話が面白かったような記憶があります。そして記者たちが夜必ず集まるたまり場のような居酒屋「ひさご」。私はまだ子供で、このシーン大人の世界が垣間見られたな。
当時はみんなそうなんですが生放映だった。だからその場面にはありえないセットが映り込んだり、次の場面に俳優さんが登場するのが遅れたりとか、VTRで完成品を作る今の時代には考えられないことが多々合ったと思うのだが。当時はVTR放送が珍しかった時代で、不思議には感じなかったような記憶なんですが。
たぶん(こういう表現が多いのだけども何せ昔の話なので記憶があいまいで・・)、一部の場面ではフィルムを使用したような記憶なんですが(ロケ部分が必要な場合ね)。
当然フィルムと生映像の差が感じられるんですが当時のTVは14インチだし、画質はそれほどじゃないし白黒なので気にはならなかったのかな。ともあれ始めてみた連続ドラマだったなー。
 
男たちの旅路 NHK
(1976年〜79年)
1976年〜79年放送 NHK土曜ドラマシリーズの作品。確か1本各75分か90分じゃなかったのかな、4シリーズで各シリーズが3本計12本が放映された。その後スペシャルが1本放映された。
特攻隊の生き残りという過去を持つガードマンの吉岡が、昔かたぎの自身の行き方と、現代の世相とのギャップで巻き起こる騒動を描く、脚本家山田太一氏の代表作。
 
リアルタイムで全作を見ていたかどうかは、今となっては記憶が薄れているのですが、ドラマには珍しく鶴田浩二さんの吉岡司令補というキャラが本音を直言し、強い訴えをするという。おそらく好き嫌いも強いのではないかと言うキャラですが。反発していた部下達もいつしか吉岡に惹かれていくという流れが何かよかったんじゃないか。
いつも見たいとは思わないのですがたまには見てもいいかな・・と思わせる吉岡のキャラ。
 
なぜか中途からは部下の島津悦子と微妙な関係になってしまい。姿を消してしまうという流れは、山田太一さんがストイックな吉岡の生き方を一面的と思いバランスを取りたかったのでしょうか?
この艶っぽいエピソードだけはどうもと言う感じなんですが、結局話に厚みを与えてはいると思います。
 
「シルバーシート」
老人問題をこのころから取り上げ、豪華な配役で、なんと言うかいつもは世間から真剣に対応してもらえない老人達が、路面電車に篭城し、自分達の主張を訴える話。当時としては切り口が新しかったなー。
 
「車輪の一歩」
障害者へまで直言をするという吉岡のキャラが何とも新しい感じのエピソード。
終盤、周囲の人へ自ら手助けを依頼し自立していく障害者達を描いたあたりが、リアルさはどうなのかは分からないけど、こういう障害者ドラマとしてはアプローチが新しい。
今でも古臭くないドラマ。
DVDを入手すべきか迷っています。
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