エリック・ハイドシェック

 

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レビュー

宇和島ライブ1  

 

伝説のライブ録音を聞く。これはやはり「テンペスト」を採るべき。

1989年9月22日愛媛県宇和島市南予文化会館大ホールライブ収録

1. モーツァルト:ピアノソナタ第12番ヘ長調 K.332
モーツァルト的でない流麗なレガート、自由なテンポ変化。第2楽章でももっとインテンポがと思うのだが、すっかりそのことは気に留めず演奏している。これもモーツァルトなのだろうか。

2. ベートーヴェン:ピアノソナタ第17番ニ短調「テンペスト」
これは凄い演奏。あまりにも自由な・・と思うが曲想にはまったく合っている。引っ掻き回される感じなけど、実はそういう曲なんじゃないかと・・。

3. シューベルト:即興曲変ロ長調 D.935の3
シューベルトとしてはしゃべりすぎな・・と思うのだが、もう少し素朴であってもと言う感じなんだけどやはり絶好調時のためなのか、流れはスムースで説得力がある。

4. ドビュッシー:版画
ハイドシェックのドビュッシーは初めて聞くんだけど・・ なるほど母国なのかな・・意外にドイツ的なのだが・・ここらが面白い。
あいにく録音の不鮮明さがドビュッシーの音色をくすんだものにしていて、そのせいなのか。

5. ヘンデル:アダージョ(組曲第2番より)
6. ヘンデル:クーラント(組曲第9番より)
ハイドシェックのもっている意外なドイツ的な面が顔を出すのか、それとも曲想にあわせてということなのだろうか。
どうしてもヘンデルの曲をピアノで弾くということはピアノのモノトーンがヘンデルの硬さをイメージしてしまう。

7. ストラヴィンスキー:ピアノソナタ
ハイドシェックの自由さが。ここでは一連のコンサートの流れの中でストラヴィンスキーらしさ(現代曲っぽさ)が目立たないという面白い結果になっている。

いささかオフマイクの録音で、鮮明さに欠ける。これが残念。

 宇和島ライブ2

 

 1991年5月24日 愛媛県宇和島市南予文化会館大ホールライブ収録
1よりは抜群に録音がいい。こうでないと。

どうも1は持ち込み機材のトラブルでホール備え付けのマイクのみで録音したようで、マイクの位置はピアノからかなり距離があったようです。
ピアノはやはりホール備え付けのヤマハのよう。好みなのかな。このあたりがモノトーンの原因のようなのか。個人的にはスタインウェイを使ってほしかった。

1. ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番ハ短調「悲愴」
第1楽章、濃い演奏、思わず23番かと勘違いするほど、この自由さはいいのか。第2楽章は逆にインテンポ。第3楽章はまた自由さに戻る。

2. ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番嬰ハ短調「月光」
これはやはり第3楽章の激流が凄い。まあやりすぎかとも感じそうなんですが。それほどには造形は崩れてはいない。

3. ベートーヴェン:ピアノソナタ第23 番ヘ短調「熱情」
このころのハイドシェックの最も合っているのがこの「熱情」ではないだろうか。冒頭部分からして曲想のとおり。まったく曲想の自由さがハイドシェックの演奏と合致している。もっともバックハウスのある意味での剛直さは彼にはないのだが、ここらがフランス人なのか?
この曲だけは演奏の質の高さはバックハウス以来ではないのか、素晴らしい再現。

最後の曲だけが拍手があるのはライブであるという表現なのかな。
入れるならすべての曲に入れてほしかった。

 宇和島ライブ3

 

 工事中

 宇和島ライブ4

 

 エリック・ハイドシェック 宇和島ライブ4より

ベートーヴェン 32の変奏曲
ベートーヴェン ピアノソナタ第26番「告別」

ハイドシェックらしいテンポが速く才気あふれ自由なベートーヴェン。やはり告別がいい。
重厚さは少なく軽いかなと思うのですが、告別は曲想にあっていると思う。

シューベルト 即興曲作品90より第3、第2、第4
ここでも少しテンポが速く。やや軽いかなと言う思いがあります。でもシューベルトらしさ、哀感は十分に感じられる。

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