個人的な日本のフォーク大全集

西岡恭蔵

99年に亡くなったフォークシンガーそしてソングライター。 
まさじさんがマスターだった大阪の喫茶店「ディラン」の常連客だった。

同じく常連客だった永井洋さんと3人で結成した「ザ・ディラン」に参加。
その後シンガーソングライターとしてソロ活動、そして多くの人への楽曲提供。
 恭蔵さんが抜けたあと「ザ・ディラン」は「ザ・ディランⅡ」として再出発します。

恭蔵さんは「ザ・ディランⅡ」のデビューシングルのために名曲「プカプカ」を提供します。 

そしてこの曲が恭蔵さんの代表曲となります。ここでは2つのアルバムを載せておきましょう。

ディランにて

デビューアルバム・・・「ディランにて」

1. サーカスにはピエロが

ディランⅡテーマ曲といってふさわしい。そして恭蔵さんのテーマ曲か。

2. 下町のディラン

あの喫茶店ディランのことですね。まさじさんともここで仲間になったのか。

3. 谷間を下って

恭蔵さんには珍しくエロなんだろうか・・でもちょっとメルヘンな曲。

4. 君住む街に

まさじさんもよくこの今日を歌うんだけどやはりちょっと違いますね。

まして初期なだけに、飾り気がなく。はき捨てっぽい。 

5. 風を待つ船

初期らしいストレートな曲。後年は歌われなかったのかな。  

6. 丘の上の英雄さん  (曲;ボブ・ディラン)

(詩は青木洋子さん)

7. 君の窓から

恭蔵さんの持ち味御伽噺的なメルヘンさ、微妙なレトリック。でも歌い方はストレートなわけで不思議なバランス。

8. 僕の女王様

恭蔵さんらしいメルヘン。このあたりは好き嫌いが分かれるかもしれない。後年はこの感じは薄まってゆきます。

9. プカプカ

いうまでもない、恭蔵さんの名を一般的にならしめた名曲。カバー多数。
いわゆる前歌はここでは歌われていません。

10. 街の君

本来のカントリーっぽさがいっぱい。メルヘンさはここではそれほど違和感がない。サビはやっぱりはき捨てっぽい。  

11. 終りの来る前に
後年は少し薄くなるラディカルさがここにはある。決して歌い方を崩さない恭蔵さんとしては珍しい。やっぱり若さなのかな。

12. サーカスの終り

恭蔵さんらしいメルヘンの集大成としてのサーカスの題材が早くも歌われています。

 

※恭蔵さんの特徴、御伽噺的なんだけど、実は骨太で、濃い詩。名曲「プカプカ」収録。

 

街行き村行き

そして、セカンドアルバム・・・「街行き村行き」 

1. 村の村長さん  

2. 春一番

大阪の野外フォークコンサート「春一番」のテーマ曲。  

3. どぶろく源さん  (インストルメンタル)

作詞がちょっと引っかかりましてインストルメンタルのみ。

4. パラソルさして  

5. ひまわり村の通り雨  

6. 飾り窓の君  

7. 海ほうずき吹き  

8. うらない師のバラード  (詩;ラングストン・ヒューズ)

9. 朝の散歩道  

10. 街行き村行き

(アレンジ;細野晴臣)

ゆったりしたカントリーっぽいバックに乗せて歌う恭蔵さん。
個人的には最も好きなアルバム。
今でも行われている大阪の野外フォークコンサート「春一番」のテーマ。
素朴な「街行き村行き」。内容が濃いのに親しみやすいメロディ。
恭蔵さんらしさがいっぱいの素晴らしいアルバム。

 

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西岡恭蔵さんについてもうすこし・・・。 

愛妻の作詞家のKUROさんが癌にかかり、KUROさんが亡くなり、追悼コンサートや、追悼アルバム作りに恭蔵さんは没頭していましたが、そのころから恭蔵さんはうつ病にかかっていたようです。 

そして、KUROさんの三回忌を目前にした1999年4月3日、恭蔵さんは自ら命を絶ちました。享年50歳。

民放の早朝のエンタメコーナーで私はそれを知りました。 

ショックでした。 

そのころまでKUROさんの亡くなったことや、追悼アルバムのことも知りませんでした。 

まだネットは未経験なころで、CDショップでも今でこそ、なつかしのフォークブームで、専門のコーナーがある店もありましが、当時はまだそれ以前でしたので、この時代の人たちのCDは店頭にはなく、情報も不明でした。

もうあれから何年もたち、渡さんも亡くなり(2005年4月16日逝去)、時代の流れを感じます。

 

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