個人的な日本のフォーク大全集

加川良

さあ、加川良さんです。親しみやすいメロディなのに内容は濃く、歌詞は反語に満ちている。

中身は実はとてもラディカル。屈折したような感じの歌詞も見かけられ、

ちょっと聞くと曲への好き嫌いも出てくるのでは。友部さんらと同じく、

現在でも回数は少ないけど、継続的にライブ活動を続けている。

2017年に病気のため逝去されました。残念です。

 

教訓(1971年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 親愛なるQに捧ぐ(1972年)

 

 

 

 

 

 

アウト・オブ・マインド(1974年)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

南行きハイウェイ

加川良

(NHK「フォークの達人」の加川良さんの回のことなんですが)

ぐっさんとのトークで加川良がフォークを歌いだすまでのいきさつが面白い。

加川良のデビューは、一般的には第2回中津川フォークジャンボリーの飛び入りとされていますが、加川さんはすでにアート音楽出版で仕事をしていて、高田渡さんのマネージャーもしていたそうです。

中津川へは裏方(楽譜の準備とか)で高田渡さんと岩井宏さんと三人で中津川へ出かけたそうです。実は事前に三人でリハをしており。そのまま三人でステージに立ったそうです。

だからすでに登場は予定されていたそうで、そして翌年アルバム(ファーストアルバム「教訓」が出るのです。

1. 教訓1  

2. できることなら  

3. 悲しい気持で  

4. 夜明け  

5. 戦争しましょう  

6. その朝  

7. 求めます  

8. 妹に送る唄  

9. あきらめ節  

10. 赤土の下で  

11. ゼニの効用力について  

12. 伝道 ※〈CDエクストラ〉  

URC系のフォークシンガーの中では、綺麗なメロディの上に、シニカルな歌詞。と思えば「下宿屋」のようにバラードっぽいトーキングブルース。

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 続くアルバム

「親愛なるQに捧ぐ」

1. 偶成    

2. こがらし・えれじぃ   

3. 夕焼けトンボ    

4. 靴ひもむすんで    

5. 鎮静剤    

6. こもりうた   

7. 下宿屋     

8. 白い家    

9. コオロギ     

10. 親愛なるQに捧ぐ     

ここでは、ブルージーな「こがらし・えれじい」コーラスが切ない「靴ひも結んで」、なじみの店を歌った「白い家」、そして京都時代の高田渡さんの自宅を訪ねたときの事を歌ったトーキングブルース「下宿屋」。個人的に好き嫌いは有るものの名曲が多い。

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 しかし加川さんも時を経て、やわらかくなります。ライブを聞いたのはそのころか、

それはおそらく「アウト・オブ・マインド」のツアーかな。(このころリアルタイムで聴いています)

1. ラブ・ソング  

2. こんばんは お月さん  

3. 知らないでしょう  

4. あした天気になあれ  

5. 子守唄をうたえない親父達のために  

6. あの娘と長崎  

7. 2分間のバラッド  

8. かかしのブルース  

9. たかが私にも  

10. つれづれなるままに  

 加川さんにしてはハッピーなメロディ、シニカルさもなく。素敵なアルバム。

このあたりが加川さんのよさ。決して内容は軽くありません。

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加川良「南行きハイウェイ」を聴

1976年発売

[「南行きハイウェイ」

1.転がりつづける時(作詞・作曲:加川 良)

2.カントリーハット・ホップ (作詞・作曲:加川 良)

3.高知 (作詞・作曲:加川 良)

4.ホームシック・ブルース(作詞:加川 良 作曲:石田 長生、加川 良)

5.あの娘に乾杯 (作詞・作曲:加川 良)

6.窓辺にもたれて (作詞・作曲:加川 良)

7.アラバマ (作詞・作曲:菊田 修一)

8.ジョーのバラッド(作詞・作曲:加川 良)

9.地平線 (作詞・作曲:加川 良)

10.北風によせて (作詞・作曲:加川 良)

アメリカ、テキサス州メンフィス録音
石田長生プロデュース

石田 長生(ギター)

中川イサト(ギター)

Ace Cannon(テナーサックス)

Charies Hodges(オルガン)

Gene Chrisman(ドラムス)

James Hooker(ピアノ・オルガン)

Leroy Hodges(ベース)

- Memphis Horns -
Wayne Jackson Andrew Love Lewis Collins,Jr.
James Mitchell Jack Hale

「アウトオブマインド」で軽さを示した加川良。

2年後、アメリカへ渡り石田長生プロデュースによる1枚。

全盛期のレトリックと反語に満ちた「ホームシックブルース」「ジョーのバラッド」

そして他にわかりやすい軽い詞も混じる。

個人的には過渡期的な感じ。

今の丸い感じの加川さんからはないものがこのアルバムではまだ残る。
  

ライブアルバム「やあ!」

 

「フォークの達人~加川良」を見る

2006年8月放送(NHK-BS2)

MC;山口智充

加川良(歌/ギター)、すぎの暢(ラップスチールギター)

1.「あした天気になあれ」 作詞・作曲:加川良


2.「高知」 作詞・作曲:加川良


3.「ラブソング」 作詞・作曲:加川良

おなじみ。加川さんの歌の中では最も好きです。
あのラディカルの時代からは脱しているような。

4.「贈りもの」 作詞・作曲:加川良

ぐっさんとのトーク。少年のころはハワイアンをやっていたという。高校卒業時に御堂筋?のライブハウスで高田渡を聴く。その会場で見つけた雑誌「フォーク・リポート」に乗っていた求人記事を見て、アート音楽出版(URC)に就職する。
そして渡さんのアルバム「汽車が田舎を通るそのとき」のCMを担当する。


5.「あきらめ節」 作詞:添田唖蝉坊/作曲:高田渡

加川良(歌/ギター)

渡さんの曲。詞は明治時代の作品なんですが充分現代に通用する。

6.「生活の柄」 作詞:山之口貘/作曲:高田渡

渡さんを代表する歌と言っていい。お客さんのコーラスが自然に入ります。

ぐっさんとのトーク。69年の全日本フォークジャンボリーに出かけ。アート音楽出版社員として雑誌「フォークリポート」を会場で売りに行くことになるが、そのころ自作の歌詞を岩井宏氏に見てもらううちに自作の曲がたまっていく。
フォークジャンボリーでは、高田渡、岩井宏、加川良のトリオで歌うことになり、デビューとなる。


7.「冬の星座」(1991年) 作詞・作曲:加川良

加川さんに見られる、女性の一人称の歌。
わかりやすそうに聞こえて、実はレトリックに満ちている。


8.「流行歌」 作詞・作曲:加川良

加川良(歌/ギター)、ハンバートハンバート (歌/ハーモニカ)
スリーフィンガーに乗せて歌う。加川さんらしい曲。


9.「夜明け」 作詞・作曲:佐藤良成(ハンバート・ハンバート)

トークゲスト:大杉連
連さんの話。連さんのお兄さんが歌が好きで、それに影響されて連さんも聴くようになった。最初に加川さんを見たのは大勢で歌っていた日本武道館のコンサートで。連さんの加川さんの直接の出会いはある映画に共演した時だそうで。
連さん、加川良さんの年を経るにつれて変わった具合と変わらなさのバランスがいい感じという。


10.「女の証し」(1978年) 作詞・作曲:加川良

加川良(歌/ギター)、すぎの暢(ラップスチールギター)
強いレトリック。毒が強い。


11.「教訓1」 作詞:上野暸、加川良/作曲:加川良
出ましたよ。代表曲です。


12.「幸せそうな人たち」 作詞・作曲:犬塚康博


13.「ONE」(1993年) 作詞・作曲:加川良

生き方を歌う。


14.「君におやすみ」(1978年) 作詞・作曲:加川良


わかりやすく耳触りのいいメロディ、それでいてレトリックに満ちた歌詞。
加川さんらしい。DVD化してほしい。無理かなー。

 

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