個人的なベートーヴェン交響曲コレクション

最近聞き返した演奏、過去に聞いた記憶の印象が強い演奏、
のみ掲載しています

曲名 ジャケット写真 演奏者 感想
交響曲第1番 ブルーノワルター指揮コロムビア交響楽団 ハイドン。モーツァルト的な名残のある1番。
さすがに晩年のせいか、テンポもゆったりとした感じ。
第3楽章トリオの部分はさすがのワルター。歌わせる。
これでオーケストラの音色がもっと魅力あるものだったらなー。最終楽章はさすがの迫力で決めている。円熟のきわみかな。
理想的な1番ではないかもしれないがいい演奏。
交響曲第2番 ブルーノワルター指揮コロムビア交響楽団 ベートーヴェンらしさが出てくる第2番。管楽器の歌うような感じも強くなります、ワルターのこのあたりの滋味あふれた再現、さすがに味わい深い。
交響曲第2番
朝比奈隆 ベートーヴェン交響曲全集(2000年版)(大阪フィル) 朝比奈隆最後のベートーヴェン全集を聞く
2000年3月10日 大阪 フェスティバルホールでのライブ録音
抜群に素晴らしい、スケルツォでも自由自在で遅めのテンポなのにそれを感じさせない。

朝比奈隆のベートーヴェンはブルックナー的で悠揚迫らぬテンポがベートーヴェンには合致していないのではといわれるのだが、速いテンポ指定の第2番最終楽章、細部にわたって目が行き届いている。それでいて遅いテンポという感じはしない。充実していて意味深い。

録音;ややオフマイクで、ホールトーンを多めに入れているのが返って解像度を弱めている。何か紗をかけたよう。
ライブ収録と言うことでマイクの位置とか限界はあるのかな、録音の解像度があがっていれば感想は違っているのかもしれない。
交響曲第3番「英雄」 ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーンフィル
1952年録音
フルトヴェングラーのスタジオ録音は、テンポの変化が激しいライブ盤とは違い、落ち着いた感じで、もちろん決めて欲しいところのアッチェレランドとかテンポの変化はあり、気持ちがいい。
ライブはこんなに激しくという感じが時にはあるんだけど、もちろんスタジオ録音はそういうことはなく、繰り返して聞くことが出来る。
何よりもウイーンフィルの音の魅力。素朴なウインナホルンの音色が綺麗で(第3楽章トリオ)味わいが深い。
スタンダードとかレファランスと思えるような演奏。
もちろんモノラルなので、今から考えると古い音なのだが、モノラルとしては最後のころで録音は当時の水準としては最高。
でも演奏の素晴らしさで気にならなくなるけど
ブライトクランク(英EMI製擬似ステレオ)化の対象になったのも不思議ではないです。
交響曲第3番「英雄」
ピエール・モントゥー指揮アムステルダム。コンセルトヘボウ管弦楽団
クラシックLPを集めだした最初のころなんですモントゥーを聞いたのは、この曲もモノラルのLPで聴きました。
当時は同一音源のLPでもステレオとモノラルの2種類が出ていたんです。モノラル盤は若干安価だったはずですが、当時はステレオ装置の普及がまだまだだったので、スピーカー一本のモノラルの電蓄があったんです。電蓄といってもLPが聞けるようになっていました。(33回転のLPですよ、SP盤じゃなく)
 
モントゥーの演奏はいわゆるフランス的なベートーヴェンなのですが、つまり重くなくすっきり感が強いのだけども、でもモントゥーの演奏は決して薄っぺらじゃなく、決めるべきsfが決まっているんで、説得力が強いんです。
 
もちろんベートーヴェンはフルトヴェングラーと思うのですが、フルトヴェングラーとは違うアプローチがなかなかいい感じのモントゥー。名演です。
交響曲第4番 カルロス・クライバー指揮バイエルン国立管弦楽団 第3番「英雄」第5番「運命」にはさまれたこの名曲。
シューマンは「北欧神話の巨人に挟まれたギリシャの乙女」といっていたとか。

この演奏は、カールベーム追悼のためのコンサートで、ほかに第7番が演奏されているようです。
カルロス・クライバーらしい熱演。若い世代でこれほどの濃い演奏は記憶にない。演奏後の拍手部分が別トラックになっているのは繰り返して聞くことを前提としたCDの編集かな。
交響曲第5番 ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ベルリンフィル 第2次世界大戦中にナチス協力の疑いを掛けられ、一時期公式の場所に出られなかったフルトヴェングラーの1947年5月27日ベルリンに指揮者として復帰したコンサートライブ。

初めて聞いたときの衝撃は今でも忘れられない。
フルトヴェングラーの激しい演奏、これぞベートーヴェンと思わせる素晴らしさ。
録音が貧しく、逆にそのあたりが割れたsfで迫力が伝わる。でもできればもっと録音がよければ・・・、フルトヴェングラーがもう少し後に生きていれば、もっといい記録が出来たのか、でもあの時代だからこそ(第2次世界大戦を体験しての・・・・・)の彼だからこういう存在なのかもしれない。
大戦後の復興がもたらした物質文明の隆盛による芸術文化の軽視の風潮の中では彼はどうだったのだろうか。
交響曲第6番「田園」
ブルーノワルター指揮コロンビア交響楽団
ベートーヴェンの交響曲の中では優しくゆったりした感じがワルターに最も適していると思います。
 
オケの人数が少ないのにまったく感じさせない豊かさ。最終楽章の祈りの部分の訴えの強さ、曲へのシンパシーの深さ。名演です。
 
交響曲第7番 カルロス・クライバー指揮ウィーンフィル 1975年、76年にかけての録音、クライバーは当時まだ40台であり若々しい、第3楽章主部がやや早いが、他は妥当なテンポ、素晴らしい。とにかくベートーベンらしい。ある意味直情径行なクライバーの指揮についていけるウィーンフィルって凄いなと思う。
いつも思いますが、いい演奏は作曲者しか感じさせない。
とはいえこの演奏やや焦り気味な気もしますが、でもそれは若さゆえのような、とにかく当たり前ではない。他の指揮者の演奏がつまらなく思えてくるような、アッチェレランドもやりすぎなような気もしますが、とにかく激しく早く鋭い、名演ではないでしょうか
交響曲第8番 画像まだ用意できず。
仕舞ってあるLP、探さなければいけません。
トスカニーニ指揮
NBC交響楽団
トスカニーニの演奏でいつも感じるのは抜群な迫力。この曲が持っている優雅さ、その中に隠されている激しさをこれほど引き出すトスカニーニ。ちょっと恣意的とさえ思える演奏。しかしこの迫力は素晴らしい。
交響曲第9番「合唱付き」 ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
バイロイト祝祭管弦楽団
バイロイト祝祭合唱団(合唱指揮:ウィルヘルム・ピッツ)
エリーザベト・シュヴァルツコップフ(S)、
エリーザベト・ヘンゲン(A)
ハンス・ホップ(T)、
オットー・エーデルマン(B)
歴史的なバイロイト音楽祭第2次大戦後の再開記念コンサートライブ。まあ言い古されていますが最終楽章のパウゼの長さといい。ラストの強烈な速いテンポ。合唱団の実力がまた凄い。音がよければと思うのですが、この点は残念。


inserted by FC2 system