2012年クール別テレビドラマ感想

 

2012年1月期ベスト5

1.カーネーション(NHK朝ドラ)
夏木マリ編のドラマの作り方、このあたり急速なダウンはありますが、やはり尾野さんの好演もあって、全体では優れたドラマ。
「ちりとてちん」以来の快作でしょう。

2.最後から二番目の恋(CX))
この年になると若い人が活躍するドラマはどうも敬遠しがち。
それなりの年、でも美男美女で、老けてはいない二人のラブコメは楽しい。岡田恵和さん作品では久々、終結までさほど失速しないドラマ。癒し。

3.キルトの家(NHKスペシャルドラマ)
これは何かを描けたんだろうか。後編は全体的に回収に終始したエピ。
中に出てくる震災関連のエピってどうなんだろう、それほどの意味合いはないような。結局兄との問題をキルトの家のご老人たちとの絡みの話にしなかったのは、ドラマの主体がずれてゆくからなのか。どろどろした話にしたくなかったのか。
老人たちの個別なエピを数回連続したドラマにすればもっと深められたのかも。

4.港町相撲ボーイズ(NHK富山制作スペシャルドラマ)
富山県高岡市の地元のアマチュア相撲が題材。林隆三さんが年齢はちょっときていますがなかなかの体格で、らしさを好演、虎之助さんの息子との会話の足らない感じがいい。佳作。

5、相棒10(EX)
及川光博さん卒業シーズンとなったシリーズ10.神戸尊という2番目の相棒キャラは右京さんとは性格がかぶるキャラで、尊さん独自の動きを見せるエピの回もあったのですが、それはそれで相棒のバランスを欠くことになって、二人のバランスが微妙だったのか。
最終回でも尊さんの独自行動の結果としての卒業。尊さんのキャラ立ちを見せるということは結局相棒キャラを維持できずこういうことにつながる。
次シーズンはどうなんだろうか。右京さんからは完全に息子という感じの成宮君はどういう感じのキャラになるのか。秋まで待ち遠しい。期待大。




2012年4月期ベスト5

ベスト4になってしまいました。
1.THK「約束〜名張毒ぶどう酒事件〜死刑囚の生涯」
制作;東海テレビ 監督;齊藤潤一
出演;仲代達也、山本太郎、希木樹林、天野鎮雄他
(中京ローカル放送)

1961年に起きた名張毒ぶどう酒事件。そして当時犯人として逮捕され、刑は確定したが、再審請求を繰り返している死刑囚の物語。これは冤罪ではないかという立場に立ったドラマ作り。確かに証拠はほぼ自白のみ。物証の農薬の意味は、再審請求の中で不確かなものになってきているのだが・・

ドラマでは、ドキュメンタリー映像も交えて、事件当時の再現、そしてその後長く続く拘留、そして支援者を得ての再審請求。死刑囚と母親との切ない交流を描く。

まあ情に訴えたドラマ作りになるのはやむを得ないが、事件当時のフィルム。今では考えられない逮捕後の被告の記者会見。その後数十年を経た東海テレビのドキュメンタリー番組の映像が差し挟まれる。その中での、被告の自白と同時に証言を換えてしまった村人たちを追っている映像が意味深く強い訴え。

また、被告弁護団の殺害に使用したと同じ農薬を使用しての検証も弁護団側が行っているのだが、冤罪という主張を根拠づけることとして弁護団の活動をドキュメンタリーとドラマを組み合わせながら描いている。

一つの見識を伝える貴重なドラマとしても意味合いは深い。俳優に仲代さん、希木樹林さん、名優らを迎えてさすがの格調の高さ、母親の切なさや死刑囚にさせられた男の孤独を見事に描いています。

2.CX「リーガル・ハイ」
#9の盛り上がりと毒。訴えの強さ、このレベルは最終回まで維持はされなかった。

#10、裁判ラストの古美門の逆襲の濃さ。そして三木事務所のあの写真の正体と古美門と三木の乱闘。まあこのドラマの全体の雰囲気をそのまま持ち込んでいるようで面白いけども、わざとらしくちょっと白ける。

黛さんが古美門の事務所へ再び戻るのも微妙ではありますが、まとめ、回収という意味合いなのかと思います。でも何か当たり前すぎなのか。全体として出来はいいと思いますが、疲れるところがあるドラマのような。

3.TBS「ATARU」
超能力的なATARU君の力でここまで解決・・・・。うるさく言えば鑑識ってどうなのか、普通細かい証拠でも見落としていないと思うのですがね。まあここがドラマなんですが。

流れの振りと回収が面白いけどね、面白かったと思います。よく出来た娯楽ミステリー。そしてキュートな千明さんだった。


4.TBS「もう一度君に、プロポーズ」
可南子さんが日記を読むことで波留への気持ちが復活したらしいのですが、このあたりがわかりにくい。まあ徐々にそういう流れに行っているらしいんだけど、気持ちの変化がよくわからない感じのままでハッピーエンドに行くのは、どうもしりすぼみなのかな。

結局可南子さんの記憶喪失の原因って、子供を作るのをためらう波留の気持ちを理解してのことかららしいのですが、ドラマの流れとしてこれはちょっとわかりにくいのかな。

お父さんの死は区切りの感じだし、まあいいかとも思います。
裕樹と志乃と桂さん(名前が古いねー)との三角関係もさほどに深くはならずに、裕樹の志乃との別れの理由も何か説得力がないし、このエピはなんだったのかなーとおもいます。

まあこう書いていくと不満タラタラの感じなんですが、大人の恋愛は自分の気持ちとしては親近感がありがあり、竹野内さんと和久井さんの好演もあっていい感じではあります。


CX「カエルの王女さま」
話は引きつけるように流れていますが、なんだかどうも天海さんが魅力的には描かれていないなー。石田ゆり子さんも頭が悪いような人になっていますし。シャンソンズの歌の選択も雑多だからでしょうか。しっくりいかない。

市長さんの若いころのシーン、ヒッピーのスタイルでロックでなくフォークを演奏?
フォークなのに曲がオリジナルでなくカバー。何でしょうね。これは変です。スタッフがこのころを知らないとしか思えない。

NHK「はつ恋」
雰囲気は懐かしい感じもあるのですが、結局、無理やりの結論ということなのか。
間違った人には病気の罰を・・・。そして最後はみんな仲良く??微妙な結末。

4月期、個人的に好きなドラマが少なかったと思います。



2012年7月期ベスト5

でも4つしか選べなかった。

1.NHK「つるかめ助産院」
ハッピーエンドをにおわせるような終わり方。長い出産シーン、やはりまりあさんの妊娠と出産、そのあたりが重要なテーマだったのかな。夫(小野寺)役の溝端淳平君、存在感が薄い、そういう作りだからか。
でも最終回の出産シーンでは小野寺はキーマン的な役割なんだ。でもやはり亀子さんとまりあさんのドラなんだなこれは。

少し不貞腐れたような感じの(そういう作りかも)仲里衣紗さんのキャラが、複雑な生い立ちと結婚後の小野寺君との微妙な関係がうまく出ていたような。やはり自分探しというテーマもあったような。俳優さんで沖縄出身の人は少ないのにあの島の雰囲気はよく出ていた・・・、とても出来のいいドラマ。

2.NHK「負けて勝つ~戦後を創った男・吉田茂」
「小説吉田学校」を思わせる作り、フィクションだけど、史実を基にしており説得力がある。
多少年代記風になった嫌いはあるが、アメリカのペースで進めざるを得ない講和の実情が吉田茂の心理とともによく描けているような。細かいエピソードがどのくらい事実はどうかはわからないけど説得力はある。大河ドラマもこういう感じでお願いしたいのだが・・・。

3.NHK朝ドラ「梅ちゃん先生」
どうも梅ちゃん先生、開業してからとにかく話が地味だった。松岡先生との別離、久々に話が動きましたが。信郎君と結婚してからはやはり話が動かないです。
やっぱり朝ドラの雰囲気からして、次々と患者の事件が起こる医療ドラマ的設定には出来ないのか。

梅ちゃんの家庭の生活の話ばかりでこれは地味。松岡先生が帰国して話が動き出すかと思ったんですが、三角関係の流れにはどうもならない・・・松岡先生との付き合いの中ではあんなに松岡先生の気持ちが動いていたのになー。

結局このドラマの良さは朝から堀北真希さんに癒されることのみなのかなー。

4.NTV「トッカン」
これは面白い。まあ税務署がカリカチュアライズされて表現されていますが、うまく出来ているのでは。井上真央さん。「ひまわり」でも思いましたがうまくなりました。他の税務署のメンバーもキャラ立ちが抜群。このテンションが最終回まで続かなかったのが残念。


番外;
NTVスペシャル「車イスで僕は空を飛ぶ」
24時間TVのスペシャルドラマとしては出来がいい。単なるお涙ちょうだいとは終わってないが、事実がそういうエピということなのかな、二宮君がなかなかなのだけど、でもまあそんなには記憶に残らない。


2012年10月期ベスト5(あいにく3本)

1.NHK大河ドラマ「平清盛」
最終回に近くなるにつれて、回想シーンや、清盛の思いなどがフラッシュバックのように現れ、大河らしい流れになったような。その分濃く、ある意味わかりにくく、もたれるのかもしれない。
でもやはり終盤に来るに従って、松山ケンイチさんや、松田翔太さん、若いですが、なりきった演技は抜群と思います。
まあその分、重たいわけで、一般的にはなじみの薄い時代ということなのか。

もう一つは頼朝の語りというちょっと屈折した設定というのがどうなのかな、壇ノ浦までいや義経の最後まで語られるという作り。平安時代の最後まで語ろうということなのでしょうか、ここらが微妙なのだと思います。

まあそれなら清盛と頼朝との生涯を対比して描くという方法もあったように思うのですが。シチュエーションは違いますが過去の「元禄太平記」(柳沢吉保と大石内蔵助)のように・・・。
視聴率は悪いのですが、まあなかなかの作品であることは確か(特に後半、前半はちょっともうひとつだったかも。)

2.CX「遅咲きのヒマワリ」
なんだか地域発信のNHK地方局のドラマのようですが、やはり民放制作なのか、結局もう一つ地域の問題の掘り起こしが甘いのかなー。
予定調和というか、ストーリーとしてはもう少し続く話のような気がします。それぞれ細かく見ればいい話もあるんだけど。

3.ゴーイングマイホーム
さすが映像は綺麗ですし、雰囲気も好いのですが。
何を言いたいのかよくわからない。エコロジーっぽい感じもしますし、ファンタジーも感じるのですが、どの意味合いも強くなく。なんだかな・・・ということになってしまう。
個人的には最終回の葬式のシーンが長いのはそんなに違和感はないのですが、まあいい気持ちはしませんけどね、つい最近も体験したばかりですし。このシーンを長くした意図はよくわかりません。
全体的には淡々とした流れにしたいということなのでしょうか。起こった事件と言えばおじいさんのことかな、でもこれは散々フラグもたっていたことですし。
クーナは現れたような、いないような。
坪井家の家庭の感じはよく描かれていたような気はしますが・・・。これはドラマなのかという気もします。


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