2010年TVドラマクール別ベスト

1月〜3月

順位

題名

主演

感想

NHK阪神淡路大震災15年特集ドラマ「その街のこども」

NHKスペシャルドラマ

 佐藤江梨子、森山未来

冒頭はドキュメンタリータッチで進んでいく。佐々木昭一郎的世界か。しかしふたりがずっと歩いて行く間の会話はせりふの感覚に戻っていく。そしてドラマは深みに入っていく。

勇治の話は間接的なエピだけにリアルなのか。身近な人の死とかの直接的な体験でなくても震災の傷はあるということか。震災のトラウマ、心の傷の深さを訴えるいい作品です。リアルに子供のころの震災体験があるサトエリと森山未来君。痛切さを感じるのか、むろんそれだけじゃないけど、さすがにうまい二人。

2.

コードブルー〜ドクターヘリ救急救命シーズン2

CX連続

 山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介、

リアルな良く出来た話で、救命病棟シリーズには見られた院内でのごたごたもなかったし、
純粋に治療と研修医の話として受け止められたと思います。出来のよい月9。

3.

曲げられない女

NTV連続

 菅野美穂、永作博美、谷原章介、塚本高史、

中盤の、早紀の前からいきなり璃子と光輝がさっさと離れていく場面とか、
それまでの二人の思いからはちょっと考えにくい行動のようで。
これはちょっと早紀には冷たすぎるんだけど。
早紀のシャッター切れも、回を重ねるごとになんだかセレモニーのような気がして、
疲れる感じ。
台本としてはきれいに描かれているんですが、
なんだか登場人物が類型的にも見える微妙な感じ。水準は高いような気がするのだが・・。

4.

とめはねっ!鈴里高校書道部

NHK連続

 朝倉あき)、池松 壮亮、中村倫也、八嶋智人

さわやかな青春小説っ!子どもたちの書道のエピ。予想される感じの展開。
まあいささか軽い感じではありますが。朝倉あきちゃんが元気でよいっ!

5.

相棒シーズン8

EX連続
(2009年10月〜2010年3月)

 水谷豊、及川光博

相棒8、神戸尊君が正式な相棒となるのですが、
右京さんと尊君とはギクシャクしています。
またキャラが良く似ているので余計になんだかよそよそしい感じ。
でも最近DVDで相棒1を見たんですが、そこでの右京さんは亀山君に対して、すごい毒舌。
あー同じなんだ。ということは回を重ねるごとに二人の関係は固まるのでしょうか?
9に期待。

番外

君たちに明日はない

NHK連続

 坂口憲二、田中美佐子、堺正章、

リストラを執行する代理企業。架空の会社だけど。
まとめはリストラされた人を受け入れる会社を作るとか。どうなのかなー。
都合のいい解決だったかな。
身につまされる話ではありますが。どうも現実感がちょっと遠い。

ウェルかめ

NHK朝ドラ(2009年10月〜2010年3月)

 倉科カナ、石黒賢)、羽田美智子、

今回もいまいちのようです。
倉科カナさん。清新でいいのですが、どうもお話は、ほぼ予想できた結末。
何か地味ですね。
おそらくは故郷に土着するというメインテーマでしょうから、
こういう感じで、いたしかたないのかもしれないのですが。
全体としてはひどいというほどじゃないんで。
ただ波美が結婚して以後は、
お話がなにか急速に脱力してしまったような気がします。

 

4月〜6月

(今回はベスト3のみ)

1.

八日目の蝉

NHK連続

終わってしまいました。久々に終わってほしくなかったドラマだったな。
あえて言えばどうしようもないような犯罪にもかかわらず、子育ての話として肯定的な流れだった、まあこれはそういうお話なのだからいたしかたないのか。

現在の部分、薫(恵理菜)はどうも実母になじめないような流れ。まあこれは誘拐された時は何も知らない子供としては、希和子になじむのはしょうがないのだけど。この設定ちょっといやらしいような。
最終回はやはり回顧ということになるのか、文治の言葉で薫(恵理菜)は、自分の過去の記憶が思い出され、懐かしさにひたる。
封印していた希和子との、危うい、でも暖かい生活へのけじめがついたような感じ。

だから最後のシーン、薫(恵理菜)は追いかけてきた希和子に気がついたのかも知れず、敢えて会わないで別れたのかもしれない。ドラマとしては薫(恵理菜)は希和子とは気づかないような作りだけど。本当のところはわかりませんが。

でも実際、希和子と薫が出会ってどうするのだという気もするのです。希和子さんは思い込みでしかない子育ての意味合いをまだ完全に悔いてはいないのかも知れない。(裁判でのあのセリフ)。
だからあの結末は彼女にとって救いはないのかもしれないけど。
でも、薫(恵理菜)を忘れることが彼女にとって真の救いのような気もする。だからこれでいいのでは。

主題歌の「童神」の意味合いはいささか皮肉ではないのか。
久々に記憶の残るドラマだった。

2.

新参者

TBS日曜劇場(連続)

なかなかここまで1話ごとの人情話エピで引っ張って。作りがうまい。
でもこの結論、犯人の人物像って結局最終回までほとんど出てこずで、
ここでいきなりそういう結論なんというのは、まあ前回で少々の振りがあったにしてもねー。
ちょっと今までの回のエピの緻密さに比べると、どうなのか。早い回での犯人がわかるような振りが出来ないのはわかるんだけど。
まあともあれ豪華キャストで、このところの日曜劇場としては「JIN-仁」に次ぐ出来が良い作品と思います。

3.

同窓会〜ラブ・アゲイン症候群

EX連続

結局結論は中途半端かな、どうとでも取れるような・・・不倫を貫く方向へ行くようでもあるし。あの旦那さんは腹筋を鍛えることで終了していいのか。せめてハローワークに日参する方向とかにしてほしい。
エピの流れでしょうがないとは思うんだけどな、あの二人の子どもたちがその後も親しげに会うなんて、再会を約するなんて、どうかねー。

とは言いながらも、まあちょっと古い感じ、昼ドラっぽい流れもありますが、さすが井上由美子さん。出来はまあまあなんじゃないか。

豪華な主演俳優さんと比べて脇役は落差もあったような気もしますがねー。(だれとはいいませんが、あの失踪カップル・・)。というかあの俳優さんの雰囲気はそういうイメージじゃないんじゃないか。ここらはやはりEXか。

番外

臨場

EX

永島の父親の事件、まあなるほどこういう流れかと。最終回冒頭部分で真犯人はわかってくるのですが、もう一つ事件があってということか。でもここらはもうかなり分かってきたようですね。
最後は人情話のように持っていくわけですが。リアル感はもう一つなんでしょうか。
ちょっと濃いストーリーと、内野さんのうまさでまとめたということかな。第1〜2回の谷本巡査と娘のエピのほうが人情話としてはいいような。
回途中での検死官心得の交代は原作通りなんだろうか?永島君のかかわりが後半深くなるための交代なのか。

ジェネラル・ルージュの伝説

KTV連続

前作「チーム・バチスタの栄光」からはちょっと脱力かなー。西島君はやっぱりこういう役は微妙かな。ERの医者としてのバリバリ感は少ない。ラストはやはりひねってあるんだけどな。どうもなんだか。

7月〜9月 

「ゲゲゲの女房」

NHK朝ドラ

朝ドラでは初めてだったと思います。専業主婦の話。まあこれも夫の水木しげるさんのエピがあるからなんだけど。
しげるさんの人柄が垣間見られるこのドラマ、昭和30から40年代のことは懐かしい。
話が戦後から現在に掛けて。そして懐かしいアシスタントのマイナーな漫画家たち(つげ義春、池上遼一)。
私どもの子どもの頃の懐かしい風景。たぶん水木さんのお嬢さんたちと世代は近いのかも。
静かで地味な話なんだけど。久々に記憶に残る朝ドラかな。

「ホタルノヒカリ2」

NTV

最後の場面になっても相変わらずのホタル・・・ぶちょうはホタルを変えることはできなかった。
そうなのかちっとも変わらないんだホタルは。まあでも仕事はちゃんと出来るし。まあいいんじゃないでしょうか。
ぶちょうさんは年の差カップルということでホタルには寛大なのか、寛大にならざるを得ないのか。ホタルの個性か強烈すぎるのか・・・?
結局「マイ・フェアレディ」には全くならないわけか。・・・現在はこういう時代なんだろうか。
と言ってもぶちょうさんが草食系と言う感じでもないような、でもそういう要素もあるような不思議な面白いドラマ。

「天使のわけまえ」

NHK

あの逃げた婚約者の事情というのはわからないまま、ハッピーエンドにしていいのか。まあでも気持ちのいい終わり方はいい。
結局主人公は料理教室で身を立てるのかしらん。
うまく流れる話、もちろん都合良さは随所にあるのだが、気づかせないのがうまい。
さすが吉田紀子さん・・。
佳作であります。

「100年先も君に恋して」

NHK

タイムマシンものなんでしょうかね。でも基本は恋の話。パラドックスとか、移動できる場所の設定はそんなに詳細ではないような。話もこういう恋愛話にしてはちょっとすっきりしすぎなのか。まあでもどろどろじゃなくほっとする感じなのは個人的にはいやではない。ここでの彩さんはとてもいいし。

5.

「鉄の骨」

NHK

終わりました。濃い6回でした。ラストはあんなもんでしょう。平太が捕まらないのは、取引をしたせいなのか。現場にいても上司(尾形常務)がいればいいのか。西田君は無傷でいいのか。まあ疑問は残りますが。これでいいのでは。
経営陣の交代とか方針転換の説明とかは飛ばされていましたが。ここらは回数不足のせいか。
1クールの半分という短さは脚本作成上意識するのかな。ともあれまあまあいいドラマだったのでは。

番外

「うぬぼれ刑事

TBS

最後は無理やりの終息・・・・どうも中島美嘉さんは個人的には好みじゃないのでぐっとは来ない・・。
確かにうぬぼれ君、この方とよりを戻すのは必然なんですがね・・・やっぱり犯罪者に惚れちまうという公式を最終回も踏襲してしまった。どうなのかなー、クドカンだからあえてはずしてもいいんじゃないか。
ただこのほうがまとまりはありますが・・・。
やっぱり長瀬君は濃すぎる・・はまればいいんですが・・・これはちょっと。
西田敏行さん、荒川良々君は良かったんじゃないか。
全体の出来はいまいちか。

番外

「GM踊れドクター」

TBS

見ました。コメディタッチの医療ドラマ。面白いですが軽いです。
毎回繰り返される病気のテーマ。ああなるほどと思います。流れもまあまあうまく出来ているし。
でもなんだかな。やっぱり病気治療という重いテーマをコメディタッチにすることはちょっとーということなんだろうな。
裏に流れるダンスチームの結成のエピも本当は最後に全員で踊るシーンがあればと思いますが?
やはりそういうシーンはないんですね。
それぞれのエピのまとめ方がちょっと甘かったのかな。多少強引だったのかもしれない。

 

「夏の恋は虹色に輝く」

CX

やはり当たり前の展開でしたね。大雅のあの展開もまあそういう感じに流れるということが予想されてしまう。後半はちょっと脱力しましたかな。月9と言うことでごく普通のハッピーエンドの展開にならざるを得ないのか。
まあ最後の恋愛エピのまとめも、きっちり当たり前の回収をするということで、子どもにはちょっとあざといと思えるようなセリフをしゃべらせるというのはいいのか・・。微妙

 

「歸國」

TBS

うーん重い。倉本さんらしい。メッセージ性がとても強いが。どうも少々ノスタルジーというか、軍人さんたちの存在を理想化しすぎかな。
忘れるなというのはわかるけどな 。靖国の話でもある方々の合祀の件についての意見は言ってはいないし。ここはその意味合いとして避けては通れないだけど。
結局軍隊のままでずっといるというのも、そういう気持ではないような人も実はいたのではないかと思いますが・・・。。

後はやっぱりたけしさんは存在感はいいんだけど。でも兵士たちはやっぱりみんな若くないとなー。最後の小池栄子の声もお兄ちゃんは若いままというセリフが皮相に聞こえるし。河西洋子をせっかく時代で役者さんを分けているんだから・・力のある若い役者さんもいるんだから、亡霊(?)の兵士たちは若いままでないと・・。
まあここらは大人の事情なのかな。

10月〜12月

龍馬伝

NHK

なるほど。福田さん(脚本)が目指した龍馬像と言うのはこういうものか。
弥太郎との長いシーン。そして慎太郎との新政府への考え方と自分の今後のこと、龍馬が自分の考えを披歴する。うまい、わかりやすい。
まあ亡くなるシーンはあの話の続き・・・緊迫シーンなのにどうもこういう作りというのは・・・ちょっと引き延ばしすぎかと思いますが、福田さんはたぶんこう作りたいんでしょう。

龍馬暗殺後は、唯一の後日談、お龍さんの桂浜でのシーン、龍馬死後一時期龍馬の家族に身を寄せた実話を使っていると思われます。他の龍馬にかかわりのあった登場人物の反応も描いてほしかった思いもあるのですが・・

福田さんの作り、おそらくは史実を離れ龍馬の生き方をより強烈にドラマとして訴えたかったんでしょう。それはそれで成功したのではと思います。

逆にいえば史実よりはとてもドラマっぽい。でもそこのあたりをうまく史実を絡めてドラマ部分が浮き出ないよう作っていると思える。
まあ個人的にはもう少し泥臭くても。たとえば龍馬の死でも、史実には即死に近いようなことらしく、あっさり終わる方法もあったのですが・・・(過去の大河ドラマ「竜馬が行く」ではそうなっていたと思います)。

もちろん現場にいて見ているわけではない、何が事実かは分からない、どう作っても(限界はありますが)よい。説得力があればと考えてもいいのかもしれない。これは微妙です。

大河ドラマでは、史実に忠実な作りと、ドラマとして盛り上げた作り(歴史を離れた創作ということ)とに別れるような気がします。
現在はどうか知りませんが。私どもの学生時代、歴史の先生は大河ドラマでも出ているだろう。・・・というような感じで授業の時に話すわけで、結局、大河ドラマは歴史の教科書にされている・・・。公共放送という意味合いもあり、ドラマ作りに歴史に忠実にということが縛りになっているのかもしれません。

個人的には大河ドラマの出来の良さは、このある意味制約の中で歴史上の人物をどうドラマに描いていくこと、フィクションに偏ってもそれがいい感じで出来ていることによるのではないでしょうか。

この龍馬伝は、弥太郎をキーマンにしているなど、多少引っかかることもありますが、出来はいいのでは。少なくても篤姫よりは良いと思います。

坂の上の雲第2部

NHK

日露戦争の途中までと言うことか、正岡子規の死、広瀬中将の死。広瀬さんがかなり取り上げられています。まあこのドラマは歴史追従の面が強い。大河らしい。その中でもこの二人のエピは印象深い。
広瀬さんとロシア女性との交遊は史実らしい。深くは知りませんが後の第二次世界大戦(太平洋戦争)の凄惨さとは違い、19世紀のゆったりした感じなのか。このころのロシアとの交流の雰囲気なのか。

子規のエピは香川照之さんの強烈な演技からして、かなりの再現なのだろうか。死の床で句会を開くなど清新の強さが再現されているのか。
後の妹さんのエピも期待される。

SPEC〜スペック

TBS

面白かった。勧善懲悪!!すっきり。
「映画化は絶対しねーから」はげしく同意。
CGこういう具合に使ってくれればよい。某映画のように過去の風景を無理やり作るなんというのは・・まあ多少はいいけども全面的には使わんでほしいよ。
某所にさる方が当麻のお父さん役(そう、あの佐野元春氏)に触れていますが、まったくそのとおり。地上波で歌われることがめったにない方が役者なんて、しかもいつもの語り口。
NHK,ETV「ザ・ソングライターズ」、歌詞の語りが懐かしい。2011年も放送希望。話題がそれてごめん

 4

旅する夫婦

CBC

 やっぱり最後、何事もなく・・というのはなー。ちょっと。
あれでOKって、いいのか・・。
やはり自首して、妻は裁判、あるいは起訴されないのか・・まあ夫の帰りを妻は待つという昔の映画的終わり方で良いんじゃないか。
元夫は呆然とし、娘は泣くというリアクションと言うか回収もあったほうがよいんじゃないか・・といろいろ考えます。微妙か・・・?

 5

 秘密

EX

 終わりました。ウエディングドレスはそういうことか。そして最後にまた直子さんが・・・という思わせぶりなー。
よく考えれば事故とは言え加害者?の血縁につながる人とあのように・・。
すべてのことは理解して納得しているんでしょうかねー。藻奈美さんは???

印象はファンタジーというかせつなさも見せるんだけど。あり得ないような話だけにどうも微妙な。未来ちゃんの好演がすべてかな。

 番外

流れ星

CX

まあなかなかの月9かな。設定は大映ドラマ風で、ちょっと嫌なのですが・・ラストのお兄さんの改心もありきたりかな、でもこの結末で安心感は出ますが、お兄さん海外渡航の費用はどうするのか?電話していた女性に出してもらうのか?

あの落語が好きな男の子のラストメッセージが、コブクロさんの歌で聞こえなくなってしまったというのは・・ちょっとなんでしょうねー。

上戸彩さんのあのギャル風なところ、ちょっと苦しいかな、竹野内君とではやっぱりバランスが取れないな^。
まあやっぱり苦情かな・・。完走できた分全くいやというわけではなかったのですが、主人公カップルに感情移入が出来ないままで終わったわけか・・。ラストも気持ちは入りづらかったなーちょっと残念。

 

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